ブルガダ症候群


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7.ICD(植込み型除細動器)概要

公開日 2012年11月19日、更新日 2014年7月12日

(1)体内埋め込み型の心調律治療を行う、装置の種類

同じような形のデバイス(装置)が4種類あります。使用目的は、まったく違います。

デバイス種類 目的と働き、適応症、交換時期(電池の寿命)
ペースメーカ
(pacemaker)
徐脈(遅い脈)を治療するため
遅い脈拍を検出した場合は、発振器からごく弱い電気刺激を送り、正常な脈拍に戻す。
電池の寿命:5〜10年ぐらい
適応症:洞不全症候群や完全房室ブロック(第3度房室ブロック)
ICD
(Implantable Cardioverter Defibrillator)
植込み型除細動器
致死性不整脈(心室細動、心室頻拍)が出現した場合に電気ショックを発生させて、突然死を防ぐため
電池の寿命:作動状況によって異なるが4〜8年ぐらい
適応症:心室性頻脈性不整脈、特発性心室細動(ブルガダ症候群など)
CRT
(Cardiac Resynchronization Therapy)
心臓同期療法(両心室ペーシング)
心室(心臓のポンプ機能)の同期障害に対するペースメーカー療法
電池の寿命:5〜10年ぐらい
適応症:中等度〜重度の心不全
CRT-D
(Cardiac Resynchronization Therapy-Defibrillator)
心臓同期療法(両心室ペーシング)機能付き植込み型除細動器
CRT+除細動器
電池の寿命:作動状況によって異なるが4〜8年ぐらい
適応症:中等度〜重度の心不全+致死性不整脈(心室細動、心室頻拍)

(2)ICD(植込み型除細動器)概要

ICDは、致死性不整脈(心室性頻脈性不整脈)を自動的に検知し電気ショックを発生させて心臓の動きを正常に戻す装置です。

ペースメーカーより一回り大きい本体とそれにつながるリード線からできています。
本体を入れる場所は、主に左鎖骨下あたりで状況により右胸や腹部に入れることもあります。リード線の先端は、心臓の内壁に固定します。
心臓のリズムを常時監視し、心室性頻脈性不整脈が出現した場合に電気ショックを心臓に与え治療します。
治療記録は、本体に記憶され外部からプログラマと言う装置で記録を読み出すことができます。ICD外来で定期的に医師とプログラマを操作する臨床工学技士、およびICDメーカーの担当者が同席して記録されたデータのチェックと電池のチェックおよび作動チェックをします。

(3)ICD治療の種類

  1. 抗頻拍ペーシング

    心室頻拍時に頻拍よりも少し速くペーシングを行い頻拍を治す治療。治療時の苦痛はほとんど無い。

  2. カルディオバージョン

    抗頻拍ペーシングで治療できなかった場合に弱めの電気ショックを行い治療する。治療時の苦痛は胸をたたかれた程度のショック。

  3. 除細動

    心室細動が起きたと判定した時に強力な電気ショックを行い治療する。
    治療時の苦痛は胸を蹴飛ばされたようなショック。
    失神する前や、ICDの誤作動(誤判定)の場合は、8秒間ほど電気をチャージした後に胸を蹴飛ばされるのでびっくりするそうです。

  4. 抗除脈ペーシング

    通常のペースメーカーと同じような電気刺激で、除脈の間ペーシングを行い治療する。
    頻拍のある人は除脈も合併しやすいことと除細動後に数秒心停止した場合にも有効です。

(4)装着後の注意点

  1. 年4回ほどの定期点検が必要
  2. 電磁波干渉に注意を要する

    外部の電磁界による雑音でICDが誤動作するため。

    • ICDからピーといった音が聞こえたらその場所から離れる。
    • 洗濯機、冷蔵庫などアースの付いている電気製品はアースに接続する。
    • 低周波治療器やEMS(通電で筋肉を鍛える装置)、電位治療器、全自動麻雀卓、体脂肪計の使用禁忌。
    • IH調理器は、50センチ程度離す。
    • 万引き防止ゲート・金属探知ゲートは、通路の中央を止まらずに歩く。
    • 携帯電話は反対側の耳で使用。(ICDから22センチ離す)
    • 歯科・病院では、ICD装着を告げる。MRI・レーザーメス等の使用禁忌。
    • ハム、レーダー、高出力アンテナ、溶接器等に近づかない。
  3. 運転免許 術後6ヶ月間(一次予防は1ヶ月間)の運転禁止。その間作動しなければ警察の許可後に可。ただし、職業的運転は不可。
  4. スポーツ 一般的には、競技スポーツやレクレーション的なスポーツでも激しいものは避けるべき。基礎心疾患の種類により個別に医師との相談が必要。
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